就労移行支援事業所にもっとしっかりしてもらいたい

by ootsukablog, 2013年12月11日

講師として呼んでいただいた講演会でこんな質問をされた。

精神障害者のデイケアをやっているワーカーの方の
患者さん(精神障害者)が合同面接会を経て就職をした。

その方は、ずっとクローズ(障害があることを就職先には開示しないで)仕事をし
苦労をしてきた。

が、もうクローズで働く苦労でなく
ちゃんと障害者雇用で就職したいと決心され
就労移行支援事業所に通所し、
合同面接会に参加し、見事採用されたという。

初めての障害者雇用での就職(オープン)となり
期待をして仕事に就いたのだそう。

ところが、配属された部署では、なかなかうまくいかない。
慣れない仕事のせいか、最初からスピーディには仕事ができるわけない。
そんな中で、指導員からは仕事が遅い遅いと毎日毎日叱られる。

来る日も来る日も叱られ、1週間たって、自信をなくし、嫌気がさしてしまったそうだ。

ワーカーさんにその方が言った言葉
「障害者雇用っていったい何なんですか?」
この言葉の中に、「安心して働けると思ったのに、ぜんぜんそうではないではないか」という意味が含まれていたのだと思う。

ワーカーさんも
「障害者雇用の企業の意識って…結局そういうものなんでしょうか。。。」という残念さを訴えられた。

真実ならば(真実であるが)大変なことだと思う。

上記のような事態を招かないために、その方が通所したのが「就労移行支援事業所」なわけで。。

就労移行支援事業所の人はいったい何をやっていたのだろう。

採用がきまったからといっていきなり放り込み、本人へのフォローもない。
職場へ、移行支援事業所の情報提供もしなかった、就労移行支援事業所が大問題だと思うのだ。

お気持ちをお察しすると腹が経って仕方ない。
受け入れた障害者に対して、
放り込むしかしない就労移行支援。

その人がどういう特性があり
どういことが得意で
どういう配慮が必要かの情報提供してもらえない企業だって被害者だ。

せっかく採用したのに、その方が離職に至ると、やっぱり障害者雇用は難しい…となってしまう。
そのあとの障害者雇用がつまづいてしまうじゃないですか。

なんでしっかり支援しなかったんだろう。その就労移行支援。

残念ながら、満足なアセスメントもできず、就労支援のプログラムらしいプログラムもなく、ジョブコーチ的なこともできず、企業への支援もできずにいる就労移行支援事業所があるのも事実だ。

就職させられない罪だけでなく、なんでもかんでも就職させてしまうのも罪は大きい。
企業は本気で障害者を雇用したいと思っているのだから、
就労支援の人たち、ここはしっかりしてほしい。

企業の方々にとっては、どの就労支援事業所が有能で、どの就労支援事業所がそうでないか
なんて見極められない。

なので、わが社は、単純な民間企業ですので、何のしがらみもなく、率直に企業の方に言わせてもらいます。

ここの就労移行支援はあまりお勧めできないかも
とか
ここなら安心
とか
こことはこうやって付き合うべき
とかを。

就労移行支援のみなさん。もっと頑張ってほしい。

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