発達障害者の就労支援の地域格差

by ootsukablog, 2013年5月23日

Kさん(25歳)がFVPにインターンにやってきた。
彼は大学在学中に広汎性発達障害の診断を受け、
以降アルバイトの経験はあるものの就職経験はないとのこと。
彼が通所しているのは発達障害者に特化した就労支援機関である。

「臨機応変が苦手」「ホウレンソウのタイミングを訓練中」とのことで、
訓練を受けているところと異なる環境でどの程度がんばれるかを経験したいそうだ。

仕事はできる。
しっかりメモも取れている。
ビジネスマナー、報告、連絡、相談も合格点だった。

通所している就労支援機関で訓練したのだそう。
通所し始めたのは2か月前だそう。
たったの2ヶ月でこんなにちゃんとできるなんて。

なんとすばらしい就労支援機関である。

自身が特性を理解し、適切な支援(訓練)を受けた発達障害者は、
企業にとってほんとうに「買い」だと断言する。

FVPで障害者雇用のコンサルをする際にも、なるべく発達障害の人の採用するよう提案している。
そして採用した企業は、「採用してよかった」と必ず喜んでいただいている。
「発達障害者を雇いたい」企業はどんどん増えて行っていると皮膚感覚で感じる。

先のKさんの通うところのように、発達障害者に特化した就労支援機関は増えている。
が、どちらかというと首都圏や大阪での話である。

全国的に見渡すと、発達障害専門の就労支援機関には遭遇しない。
既存の就労支援事業所を利用しての就活である。
なので地方在住の発達障害者の方はけっこう苦労しておられる。
知的や精神障害の就労支援でこられた事業所は、「発達障害者は難しい」とおっしゃる。

FVPは、就労移行支援事業をやらない方針なのだが、でもこの課題からは目を離せないでいる。
発達障害者の就労支援の地域格差をなくせないかと。

もちろん、ほおっておいても、
いつかは地方にも発達障害者の就労支援のノウハウは行き亘ると思う。
けど、福祉の世界は時間の流れがゆっくりなので、
ほおっておくと5年とか10年とかかかるのではないかと思う。

精神障害者の雇用義務化が5年後。
企業の採用意欲を考えると、少なくとも、
5年間の間には全国レベルで発達障害者の就労支援の質の確保がなされてほしい。
なんか方法考えねば。そう思う今日この頃のおおつかです。

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