一般的な採用面接の場面で「○」に見えることが
障がい者採用だと「△」になってくることがある。
もともと採用のプロの方々に、
採用面接でどこを見るか、
何を聞くか
なんてことは釈迦に説法。
みなさんの方がよくご存じのこと。
が、障がい者採用においては、その見たことや聞いたことについての解釈については、うのみにせず、疑ってかかる視点が大事であるとお伝えしたい。
語弊のある言い方だが、どのように「疑ってかかる」のかを3つほどご紹介する。
ケース1
面接者:会社はあなたにどのような配慮が必要ですか?
応募者:特に配慮がなくても大丈夫です。健常者の方と変わらず仕事ができます。
経験の比較的浅いご担当者の方は、このように言われると、正直ほっとするのではないか。
いずれの企業も、なるべく障害の軽い人を採用したいと思うのは本音である。
が、注意してほしい。
障がい者手帳を持っているのは、何らか社会生活に困難を抱えている状態があるからなのだ。なので、会社が何の配慮もせず健常者と変わらず仕事ができる方の方がめずらしいと考えるべきであろう。
当事者が自身の障害について正しく理解していないゆえに「配慮はいらない」と思っている。
あるいは、「願望」として健常者と変わらず仕事をしたいと思っているだけという場合もある。
ケース2
面接者:あなたの得意な仕事は何ですか?
応募者:パソコンを操作するのが好きなので、パソコンは得意です。
一定のビジネススキルがありそうで、しかも好きだと言ってくれているのなら大丈夫だと考えたい。
が、趣味で好き、趣味的に得意なのと、仕事して得意なところにはギャップがある場合も多い。
就労訓練機関によっては、バージョンの低いOSで訓練を受けていたり、
使い方を間違って教わっていたりするので、業務スキルが本当にあるのかどうかは別の次元(実習など)で評価したほうがよい。
ケース3
面接者:通勤は大丈夫ですか?
応募者:大丈夫です。
面接はたいてい昼間である。面接にくるとき大丈夫だったから大丈夫だとは限らない。
ラッシュアワーの通勤に耐えられるか。
悪天候の日も大丈夫か。
1週間続けての通勤でも体力的に耐えられるか。
なので、大丈夫の根拠を具体的に質問したほうがいいです。
以前就労していた人であれば、以前の会社までの通勤時間や通勤手段を。
初めて就労する人であれば、朝の時間に電車に乗ってみてもらうとか。
そして、やっぱり何回か通勤してもらい、実際に疲労度がどうかということをお互い確認すべき。
FVPにご相談されるケースで多いのが
面接で「感じが良かった」「障害が軽く思えた」「普通っぽかった」方を採用して、後になって、トラブルになってしまうケース。
採用後、知らされていなかった障害があきらかになった。
採用後、症状が悪化した。
週の後半疲労で休みがちになってしまった。
採用してみると、業務スキルが低かった。
本人のやりたいことと会社の評価にギャップが生じた。
これは残念である。
誰からみても明らかに障害があるとわかる方、
健常者っぽくない人を採用した場合の方がうまく行ったりする。
周囲もはっきりとその障害を認識できるので、
それに合わせて環境も調整するし、障害に配慮した配慮する行動をとりやすいということなんだと思う。
障がい者面接では、その方の見えているところで判断してはいけない。
むしろ、その後ろにあるもの、見えていないところを見ることがポイント。
よかったら参考にしてください。