FVPで障害者雇用のお手伝いをするときは、
支援機関のサポートを受けられる人の採用を推奨している。
採用担当の方からは、就労支援機関との付き合い方について
「つい、遠慮してしまう」
「どこまで依頼していいのか」
などと質問されることもある。
企業の人間と福祉側の方とは使う言語も違う。
そして相手は公共の立場である。
FVPでは
「〇〇さんに長く働いて活躍してもらうため」
と言う目的は同じなのだから、遠慮しなくてよい、とのスタンス。
その方の障害特性や指示の仕方のみならず、就職までのこと、
家族との連携のこと、休日の過ごし方に関すること、
お金の使い方など、会社が介入できない部分については相談してOK、
むしろ積極的に相談すべし。
などとお伝えしている。
就労後のアフターフォローについて、支援機関の方にはお願いしたいことがある。
障害者だけを見て支援しないでね。
もっと砕けた言い方をすれば
「障害者を守る正義の味方スタンス」で支援しないでね。
「そこ」は会社なのだから。
「長く働いていただき活躍してもらう」環境づくりは会社の中で行われるのだから。
そんなの当たり前だと思う支援機関の方も多いと思うが、言わせていただく。
実はこういうことがあった。
とある会社。障害のある社員Aさんの勤務状況が芳しくないと、
一緒に働くBさんから相談を受けた。
入社後半年くらいがんばっていたのだが、社内で人事異動があって以来調子が悪い。
指示に従わないことがある。
遅刻することがある。
休みがちになっている。
会社に人事異動はつきものである。
Aさんを支援している就労支援機関のC氏をお呼びし改善策をたずねた。
開口一番C氏はこうおっしゃった。
「この方は〇〇という障害なので配慮して(人事異動は慎んで)ほしい」だ。
「え?」と思わず聞き返した。
間違いなかった。
〇〇という障害なので、指示に従えず、遅刻することもあり、休むこともあるそうだ。
お帰り後、B氏はおおつかにお尋ねになった。
「〇〇と言う障害は、本当にそういう
(指示をきかず、遅刻して欠勤する)特性なのでしょうか?」
なわけないでしょ!!
企業の方へ。
冒頭のコメントとは逆だけど、
遠慮しなくてもいいけど鵜呑みにしてはダメよ。
支援機関の人が自分たちのスタンスを理解した上での発言かどうか、
冷静に判断する必要があるよ(ときどきではあるが、
支援者の中には先ほどのような正義の味方も存在するので)。
それを判断して、遠慮なく活用してくださいな。
支援機関の方へ。
特に就労後はその企業と一緒になって支援してほしい。
「障害者側」のスタンスだけで支援しては困るのよ。
そのためにはその会社を理解しようとしてほしい。
会社の商品やサービスに関心を持ってもらいたい。
そして極力、その会社を好きになってもらいたい。
そんな支援機関がサポートするから障害者社員が信頼され、安心して働き続けられるのよ。
先ほどの一件。
どうしたかと言うと、
B氏に加えて話の通じるもう一人加わって担当になってもらい、相談を進めています。