1ヶ月ほど前、北海道の旭川で障がい者の働く職場を訪ねる機会に恵まれた。
1社目は地元のスーパーマーケットの精肉コーナー。
今年で勤続4年目になる知的障がいの青年は目も止まらぬ速さで仕事を進める。
もちろん職場に企業内ジョブコーチなどいない。
一緒に働くパートの女性は、父子家庭の彼の健康を気遣い、
仕事帰りに家に招いて夕食をごちそうしているのだそう。
2社目は中古車販売会社。
60代のおじさん3名と共に働いて1年になる知的障がいの車好きの青年。
他の人たちと同じ青色の「つなぎ」を着て無心に働く姿は「障がい」を
まったく感じさせない。
「いつか自分の車で通勤をという彼の夢をかなえてやりたい」と
人事課長さんが熱く語る。
3社目は書店。
高校卒業後、就労訓練を経て就職した発達障がいのある青年が働く。
「少々お待ち下さい」が言えるのなら大丈夫との考えで、
迷うことなく店内作業をしている。
品出し、書籍の補充、パッキング作業など、文字通り「テキパキ」仕事をやっている。
3人とも、まともに「戦力」。
全員が全身で「働く喜びオーラ」を発散していた。
ATARIMAEプロジェクトで取材した新潟のきものブレイン。
副社長の岡元さん曰く「少人数の専門家より大人数の素人のサポートのほうがいい」と、
全員が交代で関わる「障がい者支援委員会」を持っていた。
多いに反省した。
最近のおおつか、障がい者雇用が仕事(担当、専門)になっている人とばかり
話をしてるかもしれない。
昔、高名な学者の人と議論したことがある。
障がい者雇用を飛躍的に増やすには「質の高い専門家を着実に養成するか」と
「非専門家の関心層を増やして障がい者雇用のすそ野を広げるか」という究極の選択。
おおつかの主張は後者だった。今もその考えは変わっていない。
決して特例子会社がNGだとは思わない。
ジョブコーチが不要とも思わない。
同時に大切なのは、「無関心な人たち」に、何らかのきっかけを与え、
障がい者雇用の担い手やサポーターにすること。
障がい者雇用のすそ野を広げること。
普通の職場で、障がいのある人もない人も仕事をできる社会を作ること。
FVPは事業(ビジネス)を通じてそれを実現しなければならない。
改めて思った。