障害者雇用についてのひとりごと

by ootsukablog, 2012年10月25日

1ヶ月ほど前、北海道の旭川で障がい者の働く職場を訪ねる機会に恵まれた。

1社目は地元のスーパーマーケットの精肉コーナー。
今年で勤続4年目になる知的障がいの青年は目も止まらぬ速さで仕事を進める。

もちろん職場に企業内ジョブコーチなどいない。
一緒に働くパートの女性は、父子家庭の彼の健康を気遣い、
仕事帰りに家に招いて夕食をごちそうしているのだそう。

2社目は中古車販売会社。
60代のおじさん3名と共に働いて1年になる知的障がいの車好きの青年。
他の人たちと同じ青色の「つなぎ」を着て無心に働く姿は「障がい」を
まったく感じさせない。
「いつか自分の車で通勤をという彼の夢をかなえてやりたい」と
人事課長さんが熱く語る。

3社目は書店。
高校卒業後、就労訓練を経て就職した発達障がいのある青年が働く。
「少々お待ち下さい」が言えるのなら大丈夫との考えで、
迷うことなく店内作業をしている。
品出し、書籍の補充、パッキング作業など、文字通り「テキパキ」仕事をやっている。

3人とも、まともに「戦力」。
全員が全身で「働く喜びオーラ」を発散していた。

ATARIMAEプロジェクトで取材した新潟のきものブレイン。
副社長の岡元さん曰く「少人数の専門家より大人数の素人のサポートのほうがいい」と、
全員が交代で関わる「障がい者支援委員会」を持っていた。

多いに反省した。
最近のおおつか、障がい者雇用が仕事(担当、専門)になっている人とばかり
話をしてるかもしれない。

昔、高名な学者の人と議論したことがある。
障がい者雇用を飛躍的に増やすには「質の高い専門家を着実に養成するか」と
「非専門家の関心層を増やして障がい者雇用のすそ野を広げるか」という究極の選択。
おおつかの主張は後者だった。今もその考えは変わっていない。

決して特例子会社がNGだとは思わない。
ジョブコーチが不要とも思わない。

同時に大切なのは、「無関心な人たち」に、何らかのきっかけを与え、
障がい者雇用の担い手やサポーターにすること。
障がい者雇用のすそ野を広げること。

普通の職場で、障がいのある人もない人も仕事をできる社会を作ること。
FVPは事業(ビジネス)を通じてそれを実現しなければならない。
改めて思った。

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