お世話になっているAさんと中華料理をつっつきながらの話をした。
Aさんは、都内で精神障がい者の就労支援・訓練の事業所を運営されている。
精神障がい者の就労支援に特化し、企業で働けるよう、企業で戦力になるよう、質の高い訓練を計画的に実施している。
就労支援の理念・ポリシーと歯に衣着せぬ発言が大好きで、
お会いするたび愉快な気持ちにさせていただいている。
そんなAさんが言う。
うちの利用者(←障がい者福祉の世界では障がい者のことをこのように呼ぶ)で
就職して辞めちゃう人が増えてきちゃって。。。
まだ早いかなと思ってたけど、実習受けるだけ。。なんて思ってたけど
会社から採用だといわれると本人も喜んじゃうし。
こちら(支援側)もせっかくのご縁だから。。と思っちゃうし、
やめておきなさいと言っても今更。。
と思っちゃうし。。
で、やっぱり続けられなくなっちゃって・・退職なんだよね。
統計とるとちょうど雇用率が2%いくころからがおかしくなってきたのよ。
Aさんの訓練施設でさえ、定着率が下がっているとはびっくりした。
これはいけない
と思って、いったん利用者を就労させることをストップしたのだとか。
それで、去年の就労実績だと、「加算」の適用が受けられなかったから、
法人としては大幅な収入減なんだけどね。
収入が減っても、われわれの矜持として、出す(就労させる)わけにはいかないから。
(加算というのは、訓練している障がい者の中で、一定の割合が就労に結び付くと、報酬が加算されるという仕組みのこと)
こういう誇り高い就労支援事業所ばかりではない。
それどころか「加算欲しさ」にがんがん押し出してくる訓練機関があることも書いておく。
あ、本題はそれではない。
Aさんの話に戻す。
ハローワークの人たち、
雇用しろ、雇用しろって厳しく指導するけど
あんまりにも厳しい指導だと、企業はあせっちゃうよね。
厳しすぎる指導は逆効果じゃないの。
あせって雇用すると、失敗しちゃうんだよね。お互い。
ずばっとおっしゃるAさん。
一理ある。
就労支援側の「加算の本音」をうかがうことは少ないけど。
人材紹介会社の紹介の障がい者が1日で辞めた
だけでなく
就労支援事業所から紹介された障がい者も1日や1週間で辞めた
という話を聞くようになった。
これって就労支援事業所の「加算の事情」によるものなのだろうか・・・(とは思いたくないけど)。
送り出し側(就労支援)も、受け入れ側(企業)も、それぞれの事情がある。
けど、そのはざまで割を食うのは障がい者。
なんとも切ない。
成熟するまで待つしかないのだろうか・・・う~ん。
加算を捨てても障がい者の幸せを考えることができる就労支援事業所の認証マークとか作ったらいいのだろうか。
企業側が見極める力をつけること
それが自助努力でできることなのかもしれない。