障がい者雇用でチームワークが高まった。
障がい者雇用で職場の雰囲気が良くなった。
障がい者雇用の効能としてよく言われることだ。
が、やや物足りない。
企業の目的は
チームワークを良くすることではなく、
雰囲気をよくすることでもないからだ。
あたりまえだけど。
それしか効能がないとすれば
障がい者は生産性を生まないと言っているようなものだと思う。
違うと思う。
きちんと生産性を生んでいる企業(職場)はいくらでもある。
業績によい影響を与えている障がい者雇用もいくらでもある。
そういう企業に見られる共通点がふたつある。
ひとつめ。
障がい者の受け入れを機に、作業内容の見える化、作業工程の改善、作業環境の改善などが行われていく。
いままであうんの呼吸や口頭でのコミュニケーション、個人の裁量で行われていた業務プロセスに見直しがかかるということ。
ふたつめ。
その職場では部下育成力の高い社員が育成されていく。
健常者相手に仕事をすると、「できないのは本人の努力不足」となりがち。
障がい者雇用の場合はそうは言っていられない。
その障がい者の特性を把握し、伝わる方法、仕事がうまくいく教え方を見つけていく。
このノウハウは、障害のない社員を指導するときにも威力を発揮する。言いかえれば、社員にマネジメントノウハウが醸成されていく。
繰り返しますね。
障がい者を受け入れた職場では
障がい者自身の生産性が発揮されるようにする過程で、
障害のない社員の成長が見られ、
組織全体の生産性が向上する。
障がい者雇用はきちんと生産性を生む。
障がい者だけでなく、職場全体の生産性を向上させる。
これが、本当の障がい者雇用の効能だと思う。
気付いている企業は気付いている。