Q:幻覚ってどういう感じなんですか? 重さまで感じるんですか?
A:自分の場合イエスです。脳が作り出している症状なので、まるでそのように感じていました。
Q:シュレッダーとかの簡単な仕事をつまらないと思いませんでしたか?
A:最初に簡単な仕事から始められたことは自分にとって安心感がありました。すこしずつ仕事に慣れていくことができたと思います。
これらは、先日開催の「障がい当事者のホンネを聴く会(FRIDAY NIGHT ATARIMAE SALON)」での
統合失調症の精神障がい当事者の方と人事担当者の方とのやりとりの一部。
統合失調症という病気がどういう症状で、
どのような薬が必要で、
どのような医療制度があって
といった、「知識」をどれだけ知っていても、
それだけでは採用の不安はなくならない。。。
「知識」とホンモノの障がい者は同じではない。
その人が生身の人間であるからだ。
障がいそのものの特性と、本人の性格や経験によってぜんぜん異なって見える。
知識で得た障がい者の知識とはいわゆる「畳の上の水練」状態。
障がい者雇用を安心して進めるには、
結局のところ、知識と合わせて障がい者と関わりを持つ以外に方法はないと思ってる。
かくいうおおつかがその一人だったからだ。
(この仕事を始めるまでは、まったく障がい者の人たちとの関わりのない人間のひとりだった)
そのための「場」(つまりは実践的に理解する機会)が必要だ。
ということで、「ATARIMAE カンパニークラブ」 と名付け、
クローズドの勉強会で少しづつ試してみている今日この頃。
とはいっても、まだ、これまでご縁をいただいた一部の企業の方々に、モニターとしてお付き合いいただいている状態だけど。
あなたが精神障がい者だなんて
まったく見た目でわからない。
医者に行くから病気にされる人だっている。
ここまで回復したんだから、
自分は障がい者だと思わなくてもいいのではないか。
気持ち次第でクスリがなくてもいいのではないかと思うのだが。
精神障がいっておもうから精神障がいになってしまうのではないか。
この質問に、当事者スピーカーとして協力いただいたKさんはこう対応された。
「自分は薬を飲み続けるが大事だと心得ている。自分の病気に関しては気の持ちようでなんとかなるものではない。クスリを飲まなくなって再発した友人もいるので注意している」
ご自身が自分の疾患に対してきちんと理解し、
どのような配慮があれば働けるかを理解している人を雇用する。
集まった人事担当者のみなさんは
その安定感、安心感を十分に実感されたように感じた。
(そういうゴールに誘導したわけではけっしてありません)
ご協力いただいたKさんにあらためて感謝だ。
こうやって、精神障がい者雇用の見えないバリアがひとつひとつなくなっていくといいな。