6月の北海道・芽室町を訪れる機会に恵まれた。
芽室(めむろ)と読む。 根室と混同されるが、ぜんぜん違う場所。 帯広空港から40分くらい。 十勝平野の一角である。
その芽室訪れた目的は、株式会社九神ファームの食品加工工場のお披露目式に出席するため。
株式会社九神ファームは、愛媛県のおかず・惣菜の店舗を展開するクックチャムなどが出資し、昨年北海道芽室町に設立された会社。
現在17名の障がい者を雇用し事業を営んでいる。
これが新工場。野菜の加工を中心に行う。
お披露目式に列席の後は、新工場の中へ。障がい者社員さんたちの
働きぶりを拝見した。
広大な十勝平野の一角で、障がい者社員たちが収穫し加工した野菜が津軽海峡を越え、
四国や九州のクックチャムさんのお店の数々のおかずに進化していくと思うと
わくわくする。
障がい者雇用・就労の業界では
農福連携という言葉が叫ばれて久しいが、
実際の取り組みは極めて小規模である。
農作業の手伝いや草むしりといった程度のことが多く、
事業的な展開の事例というのは決して多くない。
農地もある、
働ける障がい者もいる、
だけでは、農福連携は成立しない。
「出口」、つまり買ってくれる企業を見つけることが最も難しい課題だ。
この九神ファームは、出口(販路)が確実に確保されている。
作る→加工する→販売する
この循環を回し続けるためのパートナーをどうやって段取りするか
というのが事業者にとっての頭の痛い問題だと思う。
企業側の視点で見ると、
「農業で障がい者雇用」に参入する場合は、現業との親和性やシナジーが必須条件だと考える。
自動車業界だとか、人材業界だとかが、社会貢献やCSRのお題目のもと、農業ビジネスで障がい者雇用に参入する例もみられるが、おおつかには違和感がある。
自らの事業展開に弾みをつける戦略として、農業、障がい者雇用に参入されたという点が素晴らしいと思うのだ(←上から目線だなあ。反省)。
芽室町
九神ファームさん
そして
クックチャムさん
しばらくは目が離せない