就職件数が5年連続記録更新というのは喜ばしいこと。
しかも精神障がい者の就職件数が、身体障がい者の件数を大きく引き離しトップ。
世の中の採用が間違いなく精神障がい者にシフトしたことを物語っている
FVPに相談される案件も
精神障がい者採用に関することが圧倒的に多い。
しかも、採用に対する社内の抵抗をどう突破するかという相談ももちろんだが、
採用後の精神障がい者に関する相談の割合が圧倒的に増えている。
面接し内定を出したが、そのあと返事がない。
1日で辞めた。
1週間で辞めた。
辞めたいと言われている。
ずいぶん体調が悪そうだがなんと言えばよいかわからない。
欠勤が続いている。
連絡が取れなくなった。
配慮してもらいたいと言われたがこれ以上どうすればいい?
健常者との間でトラブルが発生し対応に苦慮している。
業務スキルがなかなか向上しない。
健常スタッフからクレームが来ている などなど。
ご担当者のみなさん、
どなたも苦悩の表情をされる。
障がい者の離職数、離職率そのものの公的統計はないが、
関西福祉科学大学 福井 信佳 准教授をリーダーとした研究チームが
公的な統計をもとに10年間の離職率を障害種別に分析した論文を発表されている。
http://www.s-ahs.org/jahs/JAHS%20Vol5%281%29%20002.pdf
それによると、1年間で44%の精神障がい者が離職しているとのこと。
2年半ですべての精神障がい者が入れ替わるという格好。
身体障がい者は12%、知的障がい者の離職率が9%なのに対して著しく高い。
高すぎる。
離職理由は
仕事への適応力
精神症状の程度
仕事に対する満足度
企業内でのサポートの多寡
就職後の病状の変化への対応
支援機関による支援
など離職理由は多岐にわたるので、離職を抑制する対策が不十分だと書かれている。
そして。。
障害者雇用率制度というのは、
法定雇用率に障がい者の雇用「量」を義務付けるものであるが、
一人ひとりの障がい者の定着を促進させることについては有効ではないと断じている。
ふむふむふむ。。
おっしゃる通りのように感じる。
これは、制度的な整備が必要だ。
改めてそう思う。
そのうちもう少し制度も充実するだろう。
でも制度が整っていくまで
企業は何をどうすべきか。
辞められないような環境を整え
辞めない人を採用する。
離職率の低い精神障がい者雇用のやり方をベンチマークしていくべきだ。
精神障がい者、まるごとすべて定着しないのではない。
就業を継続している精神障がい者だって多数存在する。
手前味噌だがFVPで働いてくれている精神障がい者だってそうだ。
自助努力で離職率は下げる。
自助努力定着率を上げる。
それを企業の方々と一緒にがんばりたい。