刑務所の受刑者の4分の1が、いわゆる知的障害だということをご存知の方は少ない。
それは、知的障害がある人が犯罪を犯す確率が高いからそうなっているのではなく、支援が届いていなくて、罪に問われてしまい、司法のプロセスできちんと自分の意見が言えなくて有罪になってしまい、刑務所に入れられてしまう。そのあと刑期を終えた後、地域の居場所がなくて、また罪を犯してしまうという「負の回転ドア」が存在している。
そういうことをなんとかしたい。
という元厚生労働省の村木厚子さん。
ご自身の経験(郵便不正事件で無実の罪に問われた)で感じられたこと、国家賠償金で得たお金をもとに、「共生社会を創る愛の基金」を設立され、さまざまな支援活動、啓発活動をなさっていらっしゃるのだ。
毎年1回開催されるシンポジウム。今年で7回目。
6年間で、どんどん活動が広がり、制度も変わり、実践も、課題も着実に増えた。
6年前は、そういう実態があることを知っている人たちはもっともっと少なかった。課題が増えたということは、着実に成果が上がっているということだろう。
わたしたちFVPのスタッフは、今回も微力ながらボランティアとして参加させていただいた。年に1回のお手伝いだけど、そうでもしなければ知ることのないことであった。
思えば、障害のある人が働くということに関わる仕事をさせていただいて16年近く。とても素晴らしい方々にお会いさせていただく機会に恵まれたと思う。
その、もっとも尊敬する方のおひとりが村木厚子さんである。
大阪拘置所に村木さんをおたずねしたときも「大丈夫?うまくいっている?」とおおつかを心配してくださり、
今回もまた同じ「どう?最近はうまくいっている?」とまたまたお気遣いをいただく。
村木さんにお会いするたび、心が洗われる。
誰かを輝かせようと一所懸命にがんばることこそが、自分自身も輝くことにつながるんだよ。
そういうメッセージをいただくような気がする。
恒例のだっこをしていただき、一緒に写真撮っていただき、エネルギーを充電。
私も今、ここで、できることに真摯に取り組みたいと思う。